ぶいぶいれぽーと

VRChatとかバーチャルっぽい話を書く個人ブログです。

2023年のおしごとライナーノーツ

年の瀬でございますね。本年も大変お世話になりました。

この時期恒例の「一年の振り返り」、どう振り返るか人によってちがうと思うのですが、自分の場合はおそらく「書いた記事」を並べていくのがわかりやすそうです。

とりあえず、以下に今年やった記事などを並べていこうじゃないですか。

新しい連載がはじまった 

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MoguLiveで「週刊 気になるVRChat」という連載企画がスタートしました。その名の通り、一週間単位でVRChat関連のトピックをひろってまとめる、週刊連載です。

すでにReal Soundテックで「Weekly Virtual News」が走っているというのに週刊連載を増やすという暴挙。冗談抜きで土日に休めなくなりました。土曜日に「週刊 気になるVRChat」、日曜日に「Weekly Virtual News」をそれぞれ仕込むというシャトルランを毎週くり広げています。

大変ではあるんですが、VRChat関連のトピックってめちゃ細かくて、大多数のメディアで単記事として拾いきれないんですよね(これはVTuberにも言えることだけど)。

だけど、取りこぼすにはちょっと惜しい……と感じていたので、連載という形で最低限キャッチできるようにしたかった、というのがあります。それでも全部が全部は"世界"が広く入り組んでいるので厳しいんですが、0が1になっただけでも、今年は進展あったのかなと思いたいところ。 

realsound.jp

なお、「Weekly Virtual News」は連載スタートから2年が経ちました。めちゃ特異的な連載を続けさせてくれて感謝しかないです、ほんとに。

実は「Weekly Virtual News」の話をもらったことで、初めてライターとしての自信がついたんですよね。その結果、会社を辞め、フリーライターになった次第。この道に踏み出すきっかけとなったマイルストーンが、いまも続いているのが、なかなか不思議な感触です。

ことし仕事で書いたもの抜粋

細々したニュースからでっかい特集までいろいろやりました。全部挙げるとわけわからんことになるので、ザッと抜粋。

ボストン茶会事件ワールド

Twitterがアホほどバズった。「こんなことある?」って思いつつ、なんかVRChat知らない人にもリーチしていたのがよかったですね。やはりGIF/動画効果か……

ALT3レポ

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2日目に0b4k3さん会入れたのもあり「書くしかねぇ」つって書いたやつ。自分でも書いてて楽しかった記事。冒頭の構成とかやりかっただけ感あるけど。

「VIVE XR Elite」体験レポ

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「HTCひさびさにやるやん!」ってなったニューカマー。メガネ型の新鮮さ、軽さ、画質の明瞭さがやっぱよくって、おまけにMR精度も高いというよい体験ができた。

ただ、そのあと自費で購入したものの、やはりエコシステムが未熟なので日常的な利用には向いてないなーというのが正直なところ。取材のときにはビジネス用途でリモートデスクトップ的なこともできるって言ってたけど、結局そのへんのアプデってきたのだろうか。

「Japan Empowerment Summit 2023」レポート

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これ完全にビジネス向けのイベントだったんですが、地方創生とメタバーストークセッションは素直におもしろかったです。「バーチャル大阪」ってやっぱ苦戦してんだとか、「メタバースはコミュニケーションツールであるべき」ってことに首肯したりとか、文科省の黒田さんさてはVRChat民だな?みたいな推察をしたり、とか。

焼津市とVketの取り組みの歴史や、「VIRTUAL SHIZUOKA構想」のお話もシンプルに興味深かった。というか静岡県めっちゃメタバースに気合入れてませんか。すごい。焼津市も「VIRTUAL SHIZUOKA」もいつかみっちりお話聞きたいところ。

ドットエスティフォトコン

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MoguLiveがフォトコンテストの審査員として参加し、しおまるさんの応募作品に賞を授与することになりました。蒼ちゃんの愛らしさが引き出されたいい写真です。その後メールインタビューを実施したのですが、「圧倒的彼女感」というコメントに唸らされました。いやほんとにそう。

その後しおまるさんのXをフォローしたのですが、パーソナリティまで詰めた改変がほんとに巧みです。あぁなっていきたいわね……

「ぽこピーランド」体験レポ

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「すごいだろうな」とは思ってたけど想像以上すぎた。ワールドのすごさはいまさら語るまでもないけど、個人勢として徹底的におもしろさ・楽しさを追求する姿勢って、VRChatクリエイターと相性がよいのだろうなーと考えるきっかけになりました。「VTuberとVRChatは混ざり合う」と僕が考える最大の論拠です。

その後、ぽんぽこさんと建設班にインタビューする機会も恵まれました。そしてぽんぽこさんとツーショットを撮るという僥倖にも出会うという。こんなことあるんだなぁ。

宇推くりあさんインタビュー

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今年のVTuber業界のスターの一人といっても過言ではない。鉄は熱いうちに、ということでかなり早めにインタビューさせていただきました。

当初メールインタビューの予定だったのですが、一回お打ち合わせする機会があり、その語り口がほんとに熱量にあふれていたのが印象的でした。その後、内閣府案件やJAXAコラボなど、一年を通して飛躍していった方です。来年の活躍にも期待ですね!

特集「VRで学ぶ」

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だいたい自分が全体的な企画を考えたはじめての特集。個人的に最も注目したい領域の「VR×学び」に、様々な切り口からフォーカスしました。

記事の一覧はこちら。当初は4本だけの予定だったんですが、初手の理系集会取材直後、「ぜひうちにもきてほしい!」という声かけをもらい、いろいろな学び系イベントを回る5本目の企画を急遽立てた、という裏話。結果として、領域の広さを伝える証左も生み出せたような気がします。

「CatsUdon(カツドン)の日」レポ

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VRChatコミュニティでぶっちぎりで突き抜けているところのひとつ。TRPGをやるためにほぼマイクラみたいなシステムを作るって何事よ!? というシンプルなおどろきがありました。

そしてこの年、ここからバーチャルパーティーという会社が立ち上がり、大きなVRボドゲアナログゲームイベントが開催されるという、怒涛の展開が起こりました。この領域もぜひプッシュしたいところ。

「遊覧空間」関連取材

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今年ビビった案件。「あの『VisitoR』がMV制作協力を!?」という衝撃がありましたね。事前にお話はいただいたので、ご関係者にインタビューしつつ、記念ワールドを取材した次第です。ちなみにその後の試写会にも行きましたわよ。

このときにも、最前線に立ってる人は少なからずこの領域に関心を持ち始めているのだなと感じた次第。割と今年一年はずっとそんな所感ですな。

「RVC」に関するコラム

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今年アホほど話題になった生成AIネタ。話題になったおかげか一時期かなり継続してアクセスがきていました。いまAIボイスチェンジャーの精度や種類ってどんな感じになっているのかしら。早すぎてぜんぜん追えない。

「私立VRC学園」インタビュー

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なんだかんだ気になってたイベント。サンリオも出たしいいタイミングじゃろ!ということで取材をお願いしました。「学園というコミュニティであり、教育機関ではない」というのが興味深いポイントでしたね。たしかに「学校」って巨大な共同体です。

卒業生インタビューも実施できたのはよかった気がします。実際、私立VRC学園の卒業生ってなにかしらしている人が多い。いろいろやりたくなってくる、というのはいい環境ですよね。

リアルVket取材

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いいイベントでした。「バーチャルマーケット2023リアルinアキバ」。偶然撮れてしまったサムネ写真も相まって、ほんとに「バーチャルの入口」になっているのもよさげ。ちなみに冬の方も行ってきて、それなりに楽しかったんですが、やっぱサーキットイベントってシンプル疲れるので、アキバ方式がいいな~と思ったり。

「HaritoraXワイヤレス」レビュー

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そりゃあもうネチネチといじめてきました。我が家の電波反響的に不安定極まりない環境でやるんだから、もうレビューというよりストレステストと呼ぶべき。

でもやっぱり、ちっちゃいのって正義だなと感じますね。すごく楽。これで専用ドングルを使うと安定性どんな感じなのかしら。「VIVE トラッカー Ultimate」がそこまで感あるので、こっちの仕入れは計画したい。

VRクリエイターズファイル

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今年スタート企画。VR方面のクリエイターをターゲットにしたサシのインタビューです。今年2本しか回せてないので、来年はもうちょいいろんな人にアタックできたら……いいな……

「VRCボクシング大会」取材

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これも念願叶ってやっと取材できたイベントでした。このときはおむらいす食堂さんを記者にお迎えし、自分は編集やら書き起こしサポートやらを担当していました。お願いして大正解。フィジカルモンスターがいなかったら成り立たん取材でした。

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「VRCボクシング大会」も今年さらなる飛躍を見せたイベントだと思います。TV取材、東京タワーでの大会イベントに、イセゲアイドルの「バーチャルファイター」など、注目されるタイミングの多い一年でしたね。eスポーツとしての完成度も随一なので、どんどん広まってほしいところ!

「Meta Quest 3」先行体験

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今年一番でっかい仕事はたぶんこれ。9月頭にプレス向けの先行体験会が実施され、9月末に解禁というスケジュールでやってました。その間「Quest 3ってどうなるんだろうね~」というおしゃべりに、「どうでしょうねぇ」と返すほかない期間が続きました。

発表直後にこの顔である。その後、Quest 3ユーザーも地道に増えていて、好感触が多い印象です。MR機能が想像以上にふつうの人にウケてるのはおどろかされましたね。

大丸松坂屋百貨店アバター

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今年ビビった案件。「あの大丸松坂屋百貨店さんがぁ!?」という衝撃がありましたね。そして担当者が私立VRC学園の卒業生だったというのも聞いて二度ビビる。おかげさまで龍青くんは発売直後にお迎えいたしました。

メタバースヨコスカ

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おなじみ往来さん案件。気合の入り方が違うし、施策の解像度も高い。「どうなってんの!?」と思っていたら、そもそも横須賀市のご担当者が数々のサブカル系案件を手掛けてきた古強者だったという。ワールドを見て、お話を聞き、スカジャンを着て、「すごいことになってきたな」と感じた次第。「VRChatクリエイターとプロクリエイターの共創」という話もおもしろかったですね。

『CIEL LIVE SHOWCASE at VRChat』レポ

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間違いなく、タイトル通り。当日は開演までかなりドタバタだったものの、ライブ本編は特にトラブルなく進行し、そのすごさが余すことなく伝わったように思います。神椿がやってきたこともすごいし、関わる面々も「あっ!みんな知っとる!」ってなるのもすごい。そしてこれがVRChatイベントの新たなラインになったとしたら……怖いですね!

フィオさんインタビュー

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動く城のフィオ、と聞くと数年前は「雲の上の人」でした。でも今年、偶然VRChatでお会いし、「なんかチャイナ女幹部っぽいルックス好きなんだな」という気づきを得てグッと距離の近い存在になりました。セクシー系トラスちゃんを使う数少ない一人。

そして、あらためて「これまでとこれから」をうかがってみると、「バーチャルの世界で生きていく」という人生のテーマを、その身をもって実践している方なのだな、という認識がはっきりと得られましたね。大変だろうなぁと思いつつも、その道を応援したくなった一人です。

プリキュアバーチャルワールド」レポ

panora.tokyo

僕は初代プリキュアをリアタイで眺め、大学生のころにスマプリ全盛期を体験した世代です。それがまさかVRChatに来ようとは。眼前でスマプリチームを拝めようとは。ほんと得も言われぬ感情に包まれました。もちろん当日もみっちり2日間楽しみました。

「Virtual Fashion Collection “Voyage” 2023 Winter.」レポ

realsound.jp

年末も年末! 昨年からさらに大きくなったVoyageのレポです。今回はメタバースヨコスカ(往来)のスカジャンや、BEAMSのバーチャル限定服が歩いたり、EXTENTIONの姉妹ブランドが出たりと、マジで"総決算"という心地でしたね。偽りなく、ここがフロンティアなのだと感じさせるビッグイベントになりました。

バチャマガさんの記事

vr-lifemagazine.com

vr-lifemagazine.com

今年はバチャマガさんで、いわゆるPR記事にあたるものもお仕事としていただきました。バチャマガでは衣装やアバターの発売時PRをよく受けているそうで、その一環でメンズアバターブランド「OGRE」さんのPR記事を2本担当しました。自分も好きなブランドなので感慨深い。

vr-lifemagazine.com

そして、今年のVRChatアバターで五指に確実に入るであろう「瑞希」のPR記事も書きましたね。あまりに多機能すぎて「どうまとめる!?どう構成する!?」と、ド深夜にみんなでワイワイしながら考えたのもなつかしいです。注目度が高かったおかげか、月間ランキングの首位に長らくいたそうな。

 

こうしてみるとまたえらい書いたな自分。ありがたいことです。

雑誌のおしごと

ddnavi.com

今年の大きな一歩として、はじめて雑誌での記事執筆を行なう機会に恵まれましたね。『ダ・ヴィンチ』2023年12月号のVTuber特集で、「企業タイアップとVTuber」というテーマのコーナー2ページを担当しました。

考察パートと、企業の担当者へのインタビューパート2つ、という構成で、いずれもなんか1ヶ月以内にやったような記憶があります。企画の相談段階からお話はもらっていて、ちょっとだけ方向性などのアドバイスもさせていただきました。

雑誌媒体の進め方はWeb媒体とはちょっと違う感じで、どうなるかと不安ではあったものの、予定通り納品・公開できてよかったですね。なにより、自分の書いたものが紙として残るの、実は専業になってから初な気もするので、思い出深い体験でした。

PR・広報のおしごと

www.youtube.com

そしてもうひとつ。アバターブランド「moonshot」のPR・広報をする、という異業種なおしごとの機会もいただきました。まず最初は「Virtual Fashion Show 2023」の広報相談だったり、ショップオーナーさんの連絡を担当し、その後新作アバター「nova」のPR広報施策を考えるという、未体験なことにチャレンジしました。

moonshot.booth.pm

とはいえ、うまくいった感触はあまりなし。アバターの広報って特に難しいな……と思わされました。

これがきっかけで、クリエイターさんとのコネクションも開拓していくという課題が自分の中に生まれました。今年ちゃんとできた気はしないので、来年以降の課題として取り組んでいきたいな……

余談ですが、「moonshot」は先日、22/7というデジタルアイドル声優プロジェクトのイベントにて、「VRChat向け衣装のコーデ提案・セットアップ」ということをやっていたりします。VTuberよりもさらに外にある存在が、VRChatアバターの衣装が着た、ということ。こんな感じの越境的展開を予定しているらしいので、ぜひご期待いただければ……!

来年に向けて

そんなこんなで、今年はライター・編集としても幅が生まれ、さらに未開拓のジャンルにも挑戦する機会を得た一年でした。お仕事以外にもいろいろ声掛けいただき、年収もなんだかんだ増えたような? まっとうな働き方ではないにせよ、いまのところ好きなことで生きていけています。

とはいえ、今年は壁も感じた一年でもありました。特に、メディアごとの限界点もある程度は見えてきて、ひとつのメディアだけに固執すると"フリーライターとしては"あんまよくないなーと思いました。

なので、2024年はもっとお付き合いするメディアさんを増やしていきたいところ。幸い、今年は新たにKAI-YOUさんでも記事執筆を始め(まださほど書けてないが)、ほかにもありがたいことに声掛けいただいているので、新たな縁も大切しながら、やれることをやっていきたいなと思う次第です。

なにはともあれ、本年も多くの方のお世話になり、浅田カズラはやっていけております。来年も引き続きよろしくお願いいたします!

VRライブで"MVの世界"へ飛び込む。「W@×おはよう真夜中 Virtual Music Show」レポ

先日、バーチャルシンガーのおはよう真夜中さんのライブ公演「W@×おはよう真夜中 Virtual Music Show」にお邪魔しました。

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「貴方の夜に寄り添う歌を歌いたい」というキャッチコピーが印象的なシンガーさんで、自分がちゃんと遭遇したのは「ALLVERSE」のリハを観覧した際だった気がします。その時に披露されていた『夜歩く』が記憶に残っていますね。いい曲です。

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この『夜歩く』のMVは、全編cluster撮影という興味深い映像です。おはよう真夜中さん自身も、clusterを中心に活動を展開している方で、今回のライブもcluster開催でした。

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clusterは直近でかなり進化して、VRChatと遜色ない演出を仕込めるようになっていることは、ぱんだ歌劇団の『アラジン』を観覧してからなんとなく察知していました。

ふだんVRChatにいる身としてはややアウェー感ありましたが、おはよう真夜中さんご本人からご招待いただいたこともあり、これもなにかの縁と思ってこっそりお邪魔した次第です。

ライブがそっくりそのままMV

さて、当日来場してみると、眼前にははおはよう真夜中さんに加えて、「立体化した歌詞」などが現れ、足元には浸水の気配が。実は今回のライブ、MVのような演出をライブ公演中にリアルタイムで仕掛けるというのが大きなコンセプトなのだそう。

ステージ上のオブジェクトだけでなく、空間全体の色調を変えたり、参加者の視界を暗転させたりと、演出の種類はかなり豊富。俗に「パーティクルライブ」とも呼ばれる様式をご存知ならば、まさにそれに近いところ。ただ自分の場合、VRChatではそれなりの数を見てきましたが、clusterで目撃したのは初でした。

また、今回のライブは新曲『Leben』のリリースに合わせての開催となったためか、選曲の一つとしてお披露目されました。どちらかと言えば重い内容の楽曲ゆえか、背後へ碑文のように歌詞が浮かぶ演出が採用。シンプルですが、それゆえの重さ、迫力がありました。

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12月1日公開のMVでも、このステージ演出の一部が垣間見えます。ちなみに"leben"はドイツ語で「生命」「人生」を意味する言葉。その名を冠する歌をつむぐのは「おはよう真夜中」という名前のアーティスト。貫かれた世界観を感じるところです。

clusterでもここまでできる。アーティストにとってもアリな場所かも

総じて、自分の中で「clusterでのアーティストライブ」のイメージが大きく更新された、よいライブでした。

歌唱楽曲は全5曲。VRライブとしてはそこそこのボリュームです。そのいずれにも、MV的な空間演出が仕掛けられていました。これをオリジナル楽曲を持つバーチャルアーティストが、個人レベルの活動としてやっているのが、なかなかにすごい。

演出のうち、視界の暗転や、「目を閉じる」ような視界エフェクトは、ともすれば「視界ハック」と呼ばれて鬱陶しがられるリスクもあります。しかし"MVのような演出"として、リアルなアーティストパフォーマンスとセットで使えば、むしろいい具合に感じられるのだなぁという発見がありました。個人差はありそうですが、没入体験としては悪くない方向性かもしれません。

なにより、ここはcluster。スマホからも手軽にアクセスできるメタバースです。筆者は息をするようにフルトラVR環境で入場しましたが、観客の大半はデスクトップ/スマホモードだった印象です。それでも空間的な寂しさを感じなかったのは、エモートやギフト機能が充実し、なによりイベントであれば最大500人まで収容できる、clusterならではの強みです。

また、この日は『Leben』のジャケ絵がアクセサリーとして販売されていました。アイテム販売機能を使って「ちょっとしたおみやげ」が用意できるのも、clusterのいいところですよね。

以前よりmemexが実践していましたが、clusterでここまでできるのならば、収容人数や参加ハードルの低さ、おみやげやギフトの存在を加味すれば、バーチャルアーティストの活動場所としてかなり有力な場所なのでは、と感じた次第です。より華美な表現が実現でき得るVRChatとはうまい具合に棲み分けできそうです。

ちなみに本ライブ、本編をあとから「3D立体視映像」として視聴できるよう録画されているらしく、あとからでも今回の没入感マシマシなライブ体験が味わえるかもしれない……とのこと。公開がいつごろになるか不明ですが、どんな感じになるか興味深いところ。今はなきアーカイブ機能のような体験ができたらよさげですね!

関連リンク

「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」を読んでみた所感(ちょっと辛口)

[2023/11/09: UPDATE] 「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」に改題されたので各所へ反映。

これはなに

note.com

「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」が発表され、案の定、賛否両論な空気がただよってきたので、自分もざっと中身を読んで得た所感をまとめたもの。

ソーシャルVRプレイヤーかつ、業界寄りのライターとして受け止めた「内容に対する感想」が主で、統計・分析手法に関するところは門外漢なので基本的に差し控える。

TL;DR

  • おおむね、調査結果と自分の体感は一致する。それらを可視化した意義は大きい。
  • 「大きな変化がない」と結論づけられる項目が多かったのはポイントな気がする。
  • ライフスタイル調査ではあるが、ジェンダーセクシャリティ研究と、「特殊な感覚」の観点への設問ウェイトが大きく、バランスを欠く箇所がある。
  • 回答者の所属コミュニティ(より細かなもの)の情報がほしい。おそらくそれは"国籍"や"居住自治体"に相当し得ると思う。
  • "Lifestyle Survey"に「国勢調査」の訳を与えているのは、この調査内容と調査範囲からするとちょっと乱暴。
    • 改題したのでこれは削除。

調査の前提条件まとめ

  • 区分は「ライフスタイルとコミュニティ」「アイデンティティ」「コミュニケーション」「経済」「ファントムセンス」の5つ。
  • 回答数は2007。77.1%が日本。時点で北アメリカ(11.0%)、ヨーロッパ(5.7%)、アジア(日本以外、5.3%)。
  • VRヘッドセットを用いて、直近1年以内に5回以上使ったユーザーだけが回答対象(つまり、スマホユーザーやデスクトップユーザーは対象外)。
    • VRの没入性・体性感覚が及ぼす影響を重視した、VR体験にフォーカスした調査」であるため。

各セクションへの所感

Check1:ライフスタイルとコミュニティ

利用プラットフォーム、ユーザー属性、プレイ時間・目的、コミュニティに関する調査項目。

  • 全体的に体感と一致。「VRChat」の人口がやはり多く、「cluster」ユーザーがなんか増えている、という話は聞く。
  • 「Roblox」をソーシャルVRにカウントするのはちょっとアンフェアかな、とも思った。まぁ入れないよりはいいのだろうけど。
  • 「VRChat」ユーザーの20代多い率はなんかわかる。「聞けば20代前半だった」「同い年かと思ったら20代後半」みたいなことが多い。
  • 「cluster」が20代>30代>40代というのはちょっと意外。ただ、VRユーザーに限定しているため、実情に沿っている可能性はある。
  • 「男性が多い」というのもわかる。聞くコミュニティによってはすーごい変化しそうだけど。
  • 「2年間全体で総プレイ時間が増加」というのは、つまり「ソーシャルVR国勢調査に回答する人は継続的にソーシャルVRを遊ぶ人」ということを意味していそう。"2023年現在では"という補記はつくけどね。
  • 「バーチャルキャスト」利用者の目的が「動画配信」トップなのはプラットフォームの出自特性を考えりゃそれはそう。ただ、最近は純粋なユーザー交流として楽しむ人も多いとは聞いている。
    • いちおう2021年調査と比較すると、「友達との交流」が68%から86%になっている。
  • コミュニティ所属についてはそこまでいうことはないが、「音楽関連」項目としてデカいかも?とは思った。DJと演奏・歌とでコミュニティがけっこう違う印象がある。

Check2:アイデンティティ

ユーザーの使用アバターと音声コミュニケーションについての調査。

  • 「女性アバターが優勢」というのは、提示されている回答理由だけでなく、「流通数・対応衣装数が多い」というアイデンティティ外の動機も大きそうだね、とは自分の周囲でよく言われていたりする。
    • あと、「背の高い男性アバターで、背の小さい女性アバターたちを見ていると首を痛める」という、なんともフィジカルな理由も聞く(というか、実例が近くで起きた)。
    • 「男性アバターでいるとナンパ目的と思われるので控える」という話も聞いたことがある。このあたりは「"ドレスコード"に合わせるため」という理由になるか。
    • いちおう換言して「外見が好み」「自分を表現しやすい」にはなる。とはいえ、アバター改変をする上での利便性から選択する人は多そう。
  • アバター種族は前回から特に異論はない。
    • 強いていうと、「アバターの頭身」についても調査するとおもしろそうだなと思った。
  • やはり市販品の改変使ってる人が多いのか……という体感一致。
  • 「cluster」でオリジナルアバターが多いのはほぼ確実にVRM(VRoid)対応しているから。
    • この延長線として、VTuberが活動拠点として出張しやすいのってやっぱ「cluster」よね、という話も(イベント目的が多いという話にもシンクロ)。
  • 声については特に言うことなし。AIボイチェン使ってる人はチラホラ増えてるよね。
    • 割合が少ないのは技術的に面倒なこと以上に、「RVC」あたりはグラボ動かすのでFPSがモリッと減ってしまい、使いにくいという事情がたぶんある。ラグも問題だけど。

Check3:コミュニケーション

ユーザー同士の心理的・身体的コミュニケーションについての調査。

  • 前回に続き、恋愛・性愛への偏りが強い。
    • おそらく調査者であるねむちゃんとMilaさんの専門・関心領域がそこであるため、と思われる。
    • 本調査が批判的に見られる要因とも考えられる。関心がある人が多い領域なのも事実だが、「触れるな」と思う人が多いのも事実。
    • とはいえ、「Just行ってきたわ」「いまAさんとお砂糖してる」と語るユーザーも普通にいるし、目の前でちゅっちゅし始めるユーザーもたしかに見てきたので、「存在しないもの」ではないのはたしか。「それこそここの文化やろ」と語る人も実際見たことがある。
  • 距離感、スキンシップなどと合わせて、「対人関係の変化」「性格の変化」「現実への影響」など、より包括的にコミュニケーションについて問う設問へと拡大するのがベターかなと思った。
  • 調査結果単体で見ると、恋に落ちた人、恋愛に発展した人、性行為を経験した人の比率があまり変わってないのは、「昨年あたりのメディア露出などで"それ"目的の人が増えたわけではない」という論拠になるか、とは思った。恋も愛も普遍的。
    • 「現実でも恋人になった」が増えたのはおもしろい。コロナ禍が明けつつあるためかな。
  • 恋愛はともかく、性行為について関心のある人はいると思うので、1トピックにせず、より深い単独調査として切り出すのもアリじゃないかと思った。この設問が理由で回答を拒否する人もいるだろうし。

Check4:経済

ソーシャルVRにまつわるお金のあれこれについての調査。

  • 「ソーシャルVRでの観光・商品体験をきっかけに、物理現実の商品を買ったことがあるか」が4割いってるのは興味深い。VRユーザー限定と考えると、VRの没入体験が商品訴求に大きく寄与するということかしら。
  • 3Dモデルの支出が多いのは「それはそう」という感じ。
    • 「3Dモデルへの支出」はそろそろ1テーマ調査にしてもいいんじゃないかしら(というか自分が見たいし、やりたい)。
  • 「ソーシャルVR関連の活動による収入」はちょっとファジーな印象を受けた。クリエイター、パフォーマー、タレントあたりは想定しやすいけど、「ソーシャルVR関連事業への就職・起業」とかは含む?
    • あと自分のような文筆業とかってけっこうボーダーラインな気がするぜ。
  • 経済圏に関する調査は単独調査でもよさそう……というか、Biz的な関心がいちばん高いのここな気がするよね(何が言いたいかは言うまい)。

Check5:ファントムセンス(VR感覚)

VR体験中に発生する"擬似的な感覚"に関する調査。

  • あえて言うと、ここだけかなりテーマがニッチ。
    • たぶんねむちゃんの関心テーマな気がするけど、どうでしょ。
  • ファントムセンスに限らず、「視力変化」「体の不調」など、「VRを通した身体感覚・体験」みたいにテーマ拡張したほうがいい気もする。ささいな身体の変化もある種のライフスタイルではあるはずなので。
  • 「プラットフォームごとにファントムセンスが起こる部位の発生確率が異なる」というのはなぜだろう?

総じて

  • 体感と一致するところは多かったので、調査と可視化の意義はある。
  • 全体的に、「2年間で大きな変化がない」という結果が多いのは興味深かった。"回答者の範囲"では、全体的なライフスタイルに大きな変化はなく、順調に人口がスケールしている、ということになるかしら。
  • 「コミュニケーション」と「ファントムセンス」の設問はややバランスを欠くように感じた。より汎化させた設問への昇華がベターだと思う。
  • 「どんな人が回答したのか」について、パーソナリティだけでなく、詳細な所属コミュニティの情報もほしいと思った。
    • そのへんが明示されていれば「あー、あのへんの回答なのね」という把握ができる。
    • ソーシャルVRが「国境のないひとつの国」だとしても、国の中に地域・自治体が無数に存在し、それぞれで文化や住民のありようは大きく異なる。ソーシャルVRにもおそらく同様のことが言える。
  • 総合すると、調査自体の意義はあるが、ジェンダーセクシャリティ研究、およびファントムセンス研究の側面がまだ強いように感じる。
  • 「Lifestyle Survey(ライフスタイル調査)」という英題はまだ妥当だけど、これに「国勢調査(National Census)」という日本語をあてるのは、ちょっと乱暴かな~とも思った。法的な話ではなく、ことばの持つ意味と力の話。
    • 「『国境のないひとつの国』になっていってほしい」という願いをこめたいのは理解するけど、こういう調査ってなるべく中立的であったほうが信頼されるはず。
    • このへん、ねむちゃんのことなので"あえて"だろうとは思っている。戦略的には特に否定しない。
    • 改題されたのでこのへんは削除。

以下駄文

  • 別個調査について
    • 「俺の知るソーシャルVRはこんなんじゃない」という声がまぁ見られるので、別の方角に向けた調査もやりゃあいいのでは、という話。
    • 「特定プラットフォームに限定した調査」「非VRユーザーも含めた調査」はやってよさそう。特に「デスクトップユーザーも含めたVRChatユーザーへの調査」は、「ソーシャルVRライフスタイル調査」との差分も重要なデータになりそうなので……おれがほしい(我欲)。
  •  調査対象をどう増やし、網羅していくか。
    • 偏りを減らすべくメディア・コミュニティに協力を仰いだとあるが、記載のある面々(PANORAとかHIKKYとか)は体感だが「人通りの多い繁華街」に通じていて、より"閑静"な場所に住む人の声は回収できていない、ような印象。
    • 特に「VRChat」は、コミュニティの細分化が想像の10倍は進んでいて、しかも相互接続が意外とない。「よそは別の世界」という空気を感じることもあるので、「圏外」が(調査者当人たちの想定よりも)多いんじゃないかなーとは考えた。
      • 桔梗ちゃんのイイネが17000超なんだから、2000でもまだまだ少ないはず。
    • 空気だけじゃなく、そもそもXや大規模Discordサーバーには住んでなく、クローズドなDiscordサーバーやMisskeyにだけ暮らしている人も多い印象。彼らにリーチし、回答をもらうには、本当に草の根までコミュニティに協力を求める必要がありそう。
    • うん、めちゃめちゃ無理ゲーに近い。対外広報も対内広報も死ぬほどがんばらないと実現できないんじゃないか。
  • 調査テーマの細分化について。
    • 「ライフスタイル」という枠組で包括的に質問しているが、たぶん一部トピックはもうちょい設問を充実させた単独調査に切り替えてもいい頃合いじゃないかな……とは思った。
      • 特に経済。「現実経済への波及」とか、めちゃ需要ありそう。
    • とはいえ、包括的に聞くからこそ見えてくるものもあると思うので、この調査方式が悪いというわけではない。
  • そもそもどう回答してもらう?
    • たぶん本人たちも悩んでそうだけど、「無償のアンケート」ってよっぽどのものじゃないと回答が集まらない気がする。だって報酬ないんだもの。
    • じゃあ「回答したらこれあげる」にすると、報酬目当ての質の悪い回答がくるかもしれないし、そもそもどこからその元手を用意するのか、みたいな話になる。
  • いっそ「点」を掘るべきか。
    • こういった調査で(範囲はともかく)「面」のデータはとれたので、「点」の情報を掘りまくって、並べて、「実際どうなんだろね」ってことを考えてみるやつ。つまり単独取材である。
    • それも「どこ・だれに聞くのか」を分散させないと有効じゃなさそうだけど。

 

まぁアレっすよ。みんなで手ェ動かしましょうぜ。

大奇祭!「ぽかぽかファンタズム元年」ってなんなんだ!!!

そこの……おまえ……

もう助からないゾ❤

これはなに

VRChatワールド「ぽかぽかファンタズム元年」を紹介する記事です。きっと!!

本記事は、後述のクラウドファンディング実施にともない募集された「ファンタズムスキル」に応募したことで発生した、有償依頼記事となります。詳細はこちら

「ぽかぽかファンタズム元年」って???

世紀の奇祭。その最新会場。

真面目に説明すると、VR漫画家・リーチャ隊長と、VRクリエイター・タナベさんが主催する、総合コンテンツ展示イベントです。「送られてきたものはだいたいなんでも展示する」という男気あふれる姿勢ゆえに、毎回想像を絶するいろんなものが出展され、それをタナベさんが想像を絶するベクトルで作ったワールドに、想像を絶するベクトル配置されています。

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もともと、上記の二人が2020年に開催した「VR万物のファンタズム」が起源です。その後、2021年開催の「ファンタズムセブン」は「マツコ会議」にも登場して一躍話題に。これを機にVRChatを知ったり、始めたりした人もいたとか、いないとか。

そして2023年オープンの「ファンタズモール」を経て、今回は数えて第4弾。「やりやがった」「確実に寝込む」「コライダーある?」「YSSがテーマ曲???」などの温かい声援とともに、10月8日にオープンしました。

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ちなみに、以前「MoguLive」でリーチャ隊長にインタビューした際に、「ファンタズムはバーチャルマーケットのカウンターカルチャーですからね」というコメントをいただいたことがあります。ある程度の出展ハードルがある展示会に対して、なんでも出せる場を。そんな草の根から生まれた祝祭とも言えそうですね(ほんとうに?)。

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そんなこんなで開壊を迎えた「ぽかぽかファンタズム元年」のテーマは、「令和のええじゃないか」。毎回そんな気もするけど、まぁそういうならそういうことです。

さらに今回は、アンバサダーのさんとコラボし、リアルグッズ発売も実施。さらに、クラウドファンディングをやったり、オープン初週は公式イベントを開いたりと、これまで以上に多角的な取り組みが展開されました。

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なお、クラウドファンディングを実施したら想定以上にお金が集まってしまい、いろんな人にお仕事を発注する「ファンタズムスキル」なんて動きも生まれたり。この記事も、「ファンタズムスキル」に応募したあと、「ファンタズム体験記事書いてください!」という有償依頼で書いているものです!

どんなワールドなの?

「救いはないが、頭の中カオスだけが 僕ら輝かせる唯一の希望で」――YSS『FANTA-IZM』より

ぶっちゃけると言語化無理だな」と思ったので、フォトレポート的に現地の写真を貼っていきます! 健康なときに見よう!!

ファンタジー

💡攻略班メモ:↑↑↓↓→→←←BA

~オープニング~

💡攻略班メモ:つづきは君の目でたしかめてくれ!

病院

ぶくろにしぐち

💡攻略班メモ:実はリスポーン地点はこのエリアの入口。

ハリガネ劇場

💡攻略班メモ:振動と光に気をつけよう!

Thats a thank you world

雑居ビル

💡攻略班メモ:入口がちょっとわかりにくい。本当に「ビルの裏手」から行けるぞ!

レンタルビデオ店

山笠

💡攻略班メモ:逃げろ!!!!!

和室

💡攻略班メモ:乗ってみな・・・飛ぶぜ

竜宮城

💡攻略班メモ:このエリア全体は「バーチャルマーケット」が入稿した「バーチャルマーケット」のデータらしい(?????)(初代会場と思われ)

天獄

💡攻略班メモ1:エリアBGMはCROWK feat. あいぽ from AMOKA『砂砂楼閣』だ!!!!!(?????)

💡攻略班メモ2:ライブ会場にもなるぞ!!

一週間ぶっ通しでイベント開催!

というような狂ったエリアが11個もある「ぽかぽかファンタズム元年」。もう見るだけでもおなかいっぱい! しかし、さらにおもしろいのは公開初週、7日間ぶっ通しで様々なイベントが開催されたということです。

めちゃめちゃ豪華なアーティストやパフォーマーを招いたイベントもあれば、見るからにネジが外れてそうなイベントまで。その一部は配信されており、現在もどんな様子だったか見ることができます。

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こうした取り組みは今回が初。なにより毎日やっていたというのが本当にすごいところで、新店舗オープン記念に毎日趣向を変えたパーティーを開いていたようなもの。恐るべきバイタリティですが、これもなんかフワッと生まれた企画らしい、という風のうわさも耳にしました。

現地に招待いただきました

ちなみに、筆者はイベントのひとつ「VRCTalents」にて、現地観客としてご招待いただきました(タナベさんありがとうございます!)

「VRCTalents」の内容はパフォーマーのショーケース。VRChatで活躍している様々なカラーのパフォーマーが集結し、日夜見せているその演目を見せるというものです。

パフォーマー」とはいっても、この広大なVRChatでは種類がむちゃむちゃ豊富です。ダンス、剣舞、お笑い、音楽といったジャンルはもちろん、フィジカルがすごい人、技術的にすごい人といった方向性まで多種多様。どう魅せ、どう表現するかが、ヘタすると現実のパフォーマー以上に幅広い。

そして、いずれもその技量に驚かされるものばかり! いつでもパフォーマンスの舞台が用意され得る、オンラインで三次元なソーシャル空間で研鑽を積んできた猛者たちだけあり、こういうイベントでも堂々と立っている実力があるのだな……と納得させられるなど。

そのうえで、「ここはファンタズムなので」と言わんばかりにはっちゃける人も多く、総じて「めっちゃすごくてめっちゃカオス」と表現できるイベントでした。マジで脳みそこわれちゃった!

このカオスこそ「住人の祝祭」なのだ(と、言えるかもしれない)

おわかりの通り、まともな相対は一切できない異様な光景が広がり続ける、VRChat屈指のすさまじいワールドです。こんなものがシリーズ化して4ワールドも野放しになっているってマジ? 残念ながらマジ。しかも由緒正しいイベントではあるぜ!

一方で、名状しがたいカオスでありながら、それこそがある意味で「VRChat」というものを表現しているのかな、と感じるところではあります。

筆者自身の所感でもあるのですが、VRChatはとてつもなく広大です。地球人口に遠く及ばないとはいえ、街がいくつか作れる人数はたぶんいる。だって文字通り「全世界」とつながっているのだもの。ゆえに属性も、ルーツも、思想も違う、たくさんの人たちが、思い思いのアバターと名前で、無数の世界を歩いていく……そんな場所です。

v-v-report.hatenablog.com

先日開催された「VARTISTs」は、そんな不思議な世界に住む人たちの一部を現実に連れてきたイベントです。ここに集まった人々は、ほんとうに"多様"そのものでした。パッと見、一言でくくれぬ人々を囲う、「VR」というキーワード。それも、各々の頭を数百グラムのデバイスで、すっぽりと囲う形で。

そんな世界なのだから、各々がなにかを自由に持ち込めば、カオスになるのはそりゃ当然。それを「ええじゃないか」のノリで集め、カオスそのままに組み上げる。そうしてできあがった会場を見て、訪問者はつぶやくわけです。「とんでもねえ場所に来ちゃったな」と――それ、VRChatに降り立ったときにも、口にしてません?

……という感じで、「万物のファンタズム」シリーズとは、意外とVRChatの原始的なコアが表現される「住人の祝祭」なんじゃないかなと、あらためて思った次第です。VRChatのすべてではないですが、"多く"がここにある。「いま、この世界になにがあるのか」を指し示す場所として、「ぽかぽかファンタズム元年」を見てみるのもおもしろいかもしれませんね。

まぁそんなこと考えてないかもしれないけど!! ええじゃないですか。「なにを見出すか」も自由なのが、きっと"ファンタズム"なのだから――

余談

僕も出展していました。バーチャルグラビアアイドル・日奈美あやの1stオフィシャルデジタル写真集『暑華』の表紙ポスターです。

日奈美あや 1stオフィシャルデジタル写真集『暑華』

日奈美あやちゃんにも会場に来てもらい、ポスターの前で記念撮影してもらいました。かわいいですね。

※日奈美あやについては、後日公開予定の記事「日奈美あやって何者? いま注目のバーチャルグラビアアイドルに電撃インタビュー!」にて紹介予定です。ご期待ください。

あと、ラスボスもいるんですよ。みなさん出会えましたか?

そして、11月4日にはHIKKYのオフィスで打ち上げが開かれるらしいです。HIKKYのさわえみかさんがきっかけで生まれちゃったイベントらしいですよ! 本当に大丈夫か???

「ぽかぽかファンタズム元年」アクセスはこちら

vrchat.com

VR Artists in Shimokitazawa ERA. (Yes, It`s #VARTISTs !)

リアルライブイベント「VARTISTs」の開催から、およそ1週間ほど経った。

伝説の夜だった。間違いなく、「バーチャルな音楽」の最前線であり、到達点だった。たぶんこれから先10年は語り草にするだろう。「あの夜、下北沢ERAにいた」と。

metacul-frontier.com

詳細なレポートについては、「メタカル最前線」が100点のレポ記事を上げたので、僕からレポート記事を強いて書くことはしない。

ここから書き連ねるのは、あの夜がいかに楽しかったことと、大きな可能性を感じたこと、それだけである。

下北沢、知らん

前置きとなるが、僕は人生でこれまで下北沢という場所に行ったことがなかった。新宿駅から電車にそこそこの時間揺られて、初めて降り立った瞬間、なにか巨大な波濤のようなものが全身に叩きつけられた。

知らん。この街、知らん。なんなのだここは。

なにもかもが異界だった。無数の店舗たちに定められたトンマナはなく、むしろ「定めない」ことが唯一のトンマナなのでは、と感じられる。そして、取り扱う品々の、ものめずらしさたるや。半径1.5mで完結する引きこもりにの世界には存在しないものであふれている街だった。

なにをしている店かわからない。なにを目的に集まった人かもわからない。無数の"未知"が転がるその光景は、はじめてVRChatの世界に降り立ったあのときと似ているな、と感じた。

前入りから1時間ほどのさんぽを経て、たどりついた「下北沢ERA」には、すでにたくさんの人々であふれていた。なぜか彼らに対しては、「知っている」という感情を抱いた。

下北沢ERAで"はじめまして"

会場となった下北沢ERAは、キャパ200人ほどのほどよいサイズのライブハウスだった。

ビルの裏手階段をのぼり、たどりついた会場を前に「意外とこじんまり」という印象を抱いた。それは別によい。重大なことは、このハコに収容人数ギリギリまで参加してくる、という事実である。

事実、続々とあらわれる来場者たちによって、ハコはみるみると埋め尽くされていった。上階に休憩室がなかったら、もう少し過酷な環境になっていたことだろう。

自分は人付き合いがさほど多くないタイプなので、いわゆるオフ会に顔を出すことがあまりない。会場内の照度が引くことを差し引いても、多くの人とは初対面だった――"リアル"では。

「あっ!あなたが◯◯さん!」

そんな変化球の"はじめまして"を、会場の各所で耳にした。極めて不思議な空間だった。初対面であるが、初対面ではない。それは、まったくもって矛盾ではない。

やがて、様々な交流によってあたたまり始めたなか、(たぶん)ビビさんのアナウンスとともに、「VARTISTs」の幕が上がった。

StrollZ

素晴らしい音だった。

サックス、ピアノ、ドラム、ベースによるインストバンド構成で、合計5曲が演奏された。ジャジーインストゥルメンタルは、VRChatで聞いても間違いなく心地よいものだっただろう。

だが、ここはリアルのライブハウス。マジの音響設備が整った、「音を聞かせるための施設」である。体が震えた。比喩ではなく、物理的に。ステージから放たれた音圧をまに、ただただ意味もなく笑顔になっていった。

今回初お披露目の楽曲まで持ってきたのも本気度が段違いだった。スタッフのSUSABIさん提供の楽曲というのだからニクいセレクトだ。かと思ったら、K.ᴗ.Ambientflowさんの『星』のカバーが飛び出し、オーディエンスからは静かに歓声が上がった。豪華だ。あまりにも豪華な選曲だ。

「メタカル最前線」でも記されていたけど、いわゆる「VRChat音楽勢」の横のつながりが形となったようなステージだったように思う。毎週オープンマイクイベントが開かれるという、かなり特異的な環境下で育った音楽のつながりを、極上の音響とともに体感できたあの時間はとても貴重なものだった。

CROWK

ブチ上がっていた。

いま勢いのあるVR発ヒップホップユニット。ほんの少しマイクを握らせれば、韻を見事に踏むMCトークを叩きつけ、秒速でハコの空気を支配する。最前列にはいかにもな治安をただよわせる人々。さっきの「StrollZ」の余韻すら呑み込みかねない力があった。

「VARTSTs」参加者へのリスペクトを述べながら、「ヒップホップこそ最強」という声を高らかに叩きつける姿は、とてつもなくかっこよかった。ただただ強烈な自信があふれかえっており、その自信にふさわしいパフォーマンスを見せてきた。jentagawaさんのDJもあいまって、30分間ほぼノンストップに盛り上げてきたのは驚異的だった。

そして、完全に油断したところに音声だけ現れた潮成実。完璧なコラボだった。最高にかっこいいアーティストが並び立つとどうなりますか。アガるに決まってるでしょうて。もうひたすらに絶叫していた。

バチャマガの取材記事で、二人はかつて「リアルライブをする」ことが夢だと語っていた。その記事が公開されていたのは2021年。2年で叶えているのだ。そんな積み上げた末に夢を叶えた二人だからこそ、その"生き様"を堂々と見せつけられたステージが、ただただ熱く感じられた。

JOHNNY HENRY

堂々たるステージだった。

すでに幾度かのリアルライブを体験している彼らにとって、「VARTSTs」のステージももはや「慣れ親しんだステージ」になっていたように思う。VRライブのように、楽しそうに、どこか肩の力を抜きながらも悠然と立つ姿は、あの空気に最もなじんでいたようにすら感じた。

「どう楽しんでも構わない」というスタンスは崩さない、ある意味ではゆるい空気感をただよわせながらも、一度曲が始まれば切れ味のあるロックサウンドがこだまする。そして、ボーカルのYAMADAのアニキがシャウトし、ハーモニカを鳴らすたびに、ブルースが響く。ライブハウスで聞きたい"音"が全てそこにあった。

ラストはやはり『愛にすべてを』。最近のジョニヘのライブではやはりこれでシメるのが通例になりつつある。最高だ。だっていい曲だもの。だってみんなで歌えるのだもの。殊にこの日の「下北沢ERA」には、出演者と観客との間にタイムラグは存在しない。「愛にすべてを」と皆で唱和することに、なんの理由もテクもいらないのだ。みんなで声出すしかあるめぇよ。

ライブ中に4周年記念リアルライブの開催までサプライズで打ち込みつつも、「応募ページが有効リンクになっていない」というやらかしまではさむという、ある意味でおいしい展開まであった「JOHNNY HENRY」のステージ。まるで「ずっと前に聞いたような」心地すらあった、心地よい時間が流れていた。

PHAZE

最高の時間だった。

ボーカルのビビさんがドイツからはるばる来日したことで実現したのが、この日の「PHAZE」のステージであり、そして「VARTSTs」そのものだった。アバターに合わせた衣装まで引っ提げてきたビビさんの姿は、ここがリアルでもありバーチャルでもあるのだということを、誰よりも示していたように思う。

そのステージはまさに圧巻だった。生歌唱と思えない歌声と、思わず体が動いてしまう演奏。「PHAZE」の世界観が眼前に顕現していた。ときにいたずらっぽく。ときにシンフォニックに。様々な顔を見せるサウンドを表現する言葉が思いつかない。ただただワクワクさせられた、その事実だけは本物だ。

そしてとにかく、ビビさんが楽しそうだったのが印象的だ。心の底からあのステージを満喫していたし、シェルさんとディズさんからも同じノリと気迫が伝わってきた。そして合間、「日本に来てほんとうによかった……!」と涙ぐみながら語るビビさんの姿に、こちらもウルッときた。今日が初めての「リアルで会った瞬間」と思えない演奏を見せてもらっただけに、「VRChat」という空間がどれだけのものを編み上げてきたかが、自ずと推し量れる。

VRは、距離を超える。それを誰よりも示していただろう。開演前に「リハの時点でめっちゃ仕上がってる、ヤバい」という話も共演者から耳にしていたが、全く嘘偽りない評価だった。トリにふさわしい、誰よりもこの下北沢での時間を待ち望んでいた人たちによる、全力のステージがそこにあった。

歴史に残る時間

始まる前から「すばらしいライブになるだろう」と思っていた。大きな勘違いだった。「とてつもなくすばらしいライブ」だった。いろいろなバーチャル系の現場に足を運んでいたつもりだったが、「VARTISTs」は誇張抜きで3本の指に入る素晴らしいリアルライブだった。

まず、音楽イベントとしてとてつもない満足感があった。ライブハウスの音がよかったのはもちろん。すさまじかったのは、楽曲のほとんどがオリジナル楽曲だったことだろう。トップレイヤーのVTuberですら、オリジナル曲を半数以上持ち込める人はなかなかいない。「VRChatの音楽アーティスト」が、とてつもない練度と資産を持つプレイヤーであることを、語らずとも示していた。

そしてなにより、あの場の空気感は唯一無二だった。あの日、「下北沢ERA」にいた人々は様々だった。大人しそうな青年もいれば、やんちゃな兄ちゃんもいて、おしゃれな女性もいた。少し歳を重ねた人もいたし、中には海外の人もいた。「これはなんの集団か」と尋ねられれば、一瞬回答に窮するくらいには多種多様だった。

だが、全員ある共通点を持つ。「VRChatユーザーである」ということだ。

全世界からアクセスできるソーシャルVRの世界に、日本だけでも、これだけいろいろな人がいるのだ。住む世界も、境遇も、きっと違う。だけど、「VRの世界で生きている」という一点だけで、自然と心が通うような、そんな心地すらあった。もちろんそれは、出演者たちもまた同じだろう。

まったくバラバラな人たちが、「VRChat」の世界で出会い、集まり、他愛のない交流を重ね、人によってはなにかを始める。そうして熟した親交をもとに、現実の世界に集まる――「VARTISTs」が実現したのは、そんな瞬間だったはずだ。

「結局リアルかよ」と思う人もいるかもしれない。「VRだけでいい」という人だっているだろう。だけど、本当はそこまで二元論で語れるものではないのだ。リアルも、バーチャルも、ともに人が生きる場所であり、そこに一切の差異も、優劣も、本来はないのだ。

リアルでバラバラに存在した人たちが、バーチャルで出会い、ともになにかを育み、リアルでそれを確認する。そして、リアルで得たものをまたバーチャルへ持ち帰り、再びなにかを育む。大きなサイクルだ。その円環を渡り歩いていく人々にとって、「リアルとバーチャルの境界」は、すでに融けてなくなりつつあるはずだ。

そんなロマンチックなことを、恥ずかしさもなく言える。それほどの熱量が宿ったイベントだった。「絶対に歴史に残る」と誰かが言った。同感だ。心の底から断言できる。

「VARTISTs」は、間違いなく、これまでの「バーチャルの音楽」に関わるイベントの最前線であり、到達点だった。

それだけ言えれば、少なくともいまのところは満足だ。

VRChat公式パートナーシップ契約を結んだ国内企業の一覧

「2023年になってから、ソーシャルVR『VRChat』の公式パートナー企業が急速に増えつつあります。」

みたいなテキストを、今年は連載原稿とかに何度も書いている。だいぶ増えてきた印象。そして、そろそろ「どこが公式パートナー企業になったか」がわからなくなってきた。加えてその多さの割に、どのメディアも情報としてあんまりまとめてない。

というわけで、備忘のためにも、「VRChat」と公式パートナーシップ契約を結んだ企業などを一覧として書き出していく。

(サムネイル作成:Canva、サムネイル画像:Generated by Midjourney)

公式パートナーシップ契約を結ぶとどうなるか

通常は規約違反となる行為や、そもそも一ユーザーアカウントからはできないことができるようになる、らしい。具体的には以下のようなことがよく挙げられる。

  • 有料イベントの開催
  • 制作したワールドをすぐにパブリック公開できる
    • 通常、公開直後のワールドは「Community Labs」という区分で表示され、設定をいじらないと検索に表示されない。
    • 「Community Labs」を抜けて公開ワールドへ昇格するには、一定以上の訪問が必要。この過程をスキップできる。
  • 広告出稿
    • デフォルトのホームワールドにでっかく広告を貼ることができる。キティちゃんとかね。
    • 「バーチャルマーケット」などの事例を見るに、ワールドメニュー上に特設のセクションを作ってもらうこともできそう。
  • 外部リンク誘導
    • ワールド内の特定の物体にふれるとWebページが開き、誘導をかけられる。地味にこれは公式契約じゃないとできないらしい。
    • いちおう有志ツールでも実現できるツールはあった気がするが、ユーザー側も同じツールを導入しないといけないので、企業施策としてはあまり現実的じゃなさそう。

2022年以前

HIKKY

www.hikky.co.jp

なにをしているところ?
  • VRイベント「バーチャルマーケット」主催
  • メタバースプラットフォーム「Vket Cloud」開発・運営
  • 世界100都市メタバース化プロジェクト「パラリアルワールドプロジェクト」
  • etc.
時期

2020年4月までには?

詳細

「バーチャルマーケット」運営企業としてご存知の方も多いはず。会期中にワールド一覧に特設コーナーが設けられているので、おそらくパートナーだろうとは思っていたものの、軽く調べた範囲ではそれらしきプレスリリースが出てこなかった。

note.com

ただ、CVOの動く城のフィオさんが昨年出した『メタバース革命 バーチャル経済圏のつくり方』の一部抜粋記事に、「Vket4からは、プラットフォームとして使っていたVRChatとも、本格的にパートナー契約を結ぶことができるようになりました。」とある。これが正であるならば2020年4月には公式パートナーシップを結んでいたということになりそう。

Gugenka

gugenka.jp

なにをしているところ?
  • VR/ARデジタルフィギュアビューワー「HoloModels」開発
  • 3Dアバター作成アプリ「MakeAvatar」開発
  • メタバースイベント、バーチャルイベントの開催
  • IP公式デジタルコンテンツストア「XMarket」運営
  • etc.
時期

2020年12月?(法人契約代行サービスは2022年2月24日から)

詳細

www.moguravr.com

「SANRIO Virtual Fes」などを手掛けている、バーチャル方面では有名な企業。2022年2月24日から「VRChat」の法人契約代行サービスをスタートしている。日本国内で「VRChat公式パートナー企業」が本腰入れて注目されたのはこのあたりな印象。

このタイミングで公式パートナー契約を結んだ……ように見えて、2020年12月18日にショッピングモールワールド「XWorld」オープンを告知した際に、公式パートナー契約を結んだことを発表している。よく考えれば「SANRIO Virtual Fes」初回開催は2021年末だった。

BOOTH

booth.pm

なにをしているところ?
  • クリエイターズマーケット。クリエイター制作物の売買ができるプラットフォーム。
時期

2022年11月25日

詳細

booth.pm

アバターやお衣装の販売先として、たぶん国内シェア率トップ。2022年11月25日に「VRChat」との提携を発表した。この"提携"が、運営元のピクシブ株式会社との公式パートナーシップ契約を意味するのかはわからない……が、「BOOTH」ページに飛べるアセット「BOOTH Lens」の配布もやってるあたり、そんな感じな気がする。

2023年

AWS

awsnet.co.jp

なにをしているところ?
時期

2023年2月6日

詳細

awsnet.co.jp

Amazon Web ServicesではないAWS株式会社という富山県に本社がある企業で、見たところごく普通の業務アプリケーション設計・開発、導入・保守をやるところっぽい。

「VRChat」を使用する商用イベント、企業広告・ブランディングなどをやるそうで、「VRChat」以外にも「UE5を使用したオリジナルツール等の開発、提案」「AR/MRに関わる共同開発・研究・提案」などをやるそう。ただ、具体的な実績については、筆者は耳にしたことがない。

modelingx.jp

9月23日には株式会社ModelingXという会社が、ワールド制作の分業提携を行ったらしい。こちらも富山県の会社。事例紹介されているワールドも「TOYAMA by ModelingX-JP」という名前。富山県でローカルなVRChat事業コネクションが生まれているのかもしれない。

往来

ouraivr.com

なにをしているところ?
時期

2023年3月9日

詳細

日産自動車モスバーガーの「VRChat」進出を手掛けてきた企業。2023年の公式パートナーシップ契約の先駆けで、以後もコンスタントに企業進出などを手掛けている。

代表のぴちきょさん含め、関係者が軒並み「VRChat」大好きなコアユーザー。この人たちが見込んだクリエイターに声掛けしてお仕事を依頼していることもあり、コミュニティ知名度も高め。

イアリンジャパン

eallin.jp

なにをしているところ?
  • 映像制作(バーチャル系多し)
  • 「次元少女 亜空間こねる」原作元
時期

2023年3月16日

詳細

prtimes.jp

チェコプラハ発の映像制作会社・イアリンの日本スタジオ。「KAMITSUBAKI STUDIO」や「Project:;COLD」、あとポケモンSVのナンジャモの動画あたりがピンとくる人の多そうな実績。

www.youtube.com

「VRChat」では、2022年にアートイベント「Wacom Connected INK」にて特設ワールド「Metamorphosis」などを手掛けている。この公式パートナーシップ契約に合わせて、クリエイティブチーム「MIGIRI」を設立しているのが特徴で、VRChatワールド探索部のタカオミさんがディレクターとして所属しているあたり、かなり気合が感じられるところ。

Any Gold Trust

www.anygoldtrust.co.jp

なにをしているところ?
時期

2023年4月18日

詳細

prtimes.jp

意外な角度からの参入。不動産業の実務をVR空間で行うべく、「東京かまた不動産VRChat支店」の設立・運営を目指すとのこと。2023年6月ごろにワールド自体は公開されており、おそらく運用待ちの状態と思われる。

前田拓郎法律事務所

www.kittenlawoffice.com

なにをしているところ?
  • 法律事務所。主に知的財産法や、AI/Iot・VR/AR/XR・メタバース関連事業といった先端領域、漫画イラストや出版動画制作などのコンテンツビジネスなどが取扱分野とのこと。
時期

2023年6月14日

詳細

www.kittenlawoffice.com

これも意外な角度からの参入。とはいえ、扱っている分野を踏まえると順当な参入と言えそう。パートナーシップ契約は、「VRChat」上でのイベント・セミナー開催、法律相談の実施が目的だそう。実際、6月には2回「VRChat」で無料の法律相談会が実施されている模様。

ちなみに、こちらの代表弁護士の方とは「VRChat」でお会いしたことがある。普通に飲み・クラブインスタンスでも遭遇したことがあり、割と純粋に「VRChat」を楽しまれているみたいでした。

メタバースクリエイターズ

metaverse-creators.tokyo

なにをしているところ?
  • メタバースクリエイターのプロデュース及びマネージメント(自分はこの点を指して「クリエイタープロダクション」と呼んだりしている)
  • メタバースコンテンツの企画、制作、販売、配給、配信
  • 著作権その他の知的財産権の取得、管理
時期

2023年6月21日

詳細

prtimes.jp

いまいちばんイケイケそうなところ。「VRChat」でも有名なクリエイターが複数在籍していて、ワールド制作やなにかしらの案件を回している。グローバル展開も意識しているようで、実際8月に国際交流イベントも開いている(ワールドもここが制作)。

ちなみに、「VRChat」にとどまらずメタバース全般をフィールドに定めていて、直近だと所属クリエイター数名が「ZEPETO」に進出していたりする(参考)。

姫宮VIGサービス(※業務提携契約)

sugu-verse.net

なにをしているところ?
  • 店舗型VRChat体験サービス「スグバース」運営(今秋開業予定)
時期

2023年8月4日

詳細

presswalker.jp

プレスリリースでは「業務提携契約」と記されているので、もしかするとパートナーシップ契約ではないかもしれないが一応。

たぶん全国的にも初となる「お店行けばVRChatの体験ができる」という店舗を開こうとしている。今秋、東京でオープン予定。

V

v-inc.jp

なにをしているところ?
  • メタバース垂直立ち上げプラットフォーム「METABIRTH」運営
  • VRChatアバター改変投稿サービス「kaihen」運営
  • アパレルブランドとのアイテム制作
  • WEBメディア「メタカル最前線」運営
時期

2023年8月28日

詳細

prtimes.jp

「VRChat」だと、「ANREALAGE」のデジタルウェアを発売したところ(参考)か、アバター改変の画像を投稿できる「kaihen」の運営として知っている人がいそう。

今後は「ブランドとのアバター制作・販売」「アニメIPとのワールド制作」といったところに取り組むとのこと。「ANREALAGE」を持ってきたあたり、おもしろいこと仕掛けてきそうな予感はある。

metacul-frontier.com

10月2日には、合同会社アシュトンラボ(2023年6月末解散)よりWEBメディア「メタカル最前線」を事業譲渡されている。「メタバース領域特化のメディア運営」が、事業領域に加わった形。

スケブ

https://skeb.jp/

なにをしているところ?
  • コミッションプラットフォーム「Skeb」運営
時期

2023年9月1日

詳細

prtimes.jp

クリエイターへ有償でイラストなどのリクエストができる有名なプラットフォームの運営企業。

意外な参入……と見せかけて、「Skeb」上での取引の13%超が「VRChatの自分のアバターのイラスト依頼」らしく、実は相性のよいプラットフォーム。自分の知り合いもコミッション費用が毎月えらいことになっている人がいる。ちなみに代表取締役の喜田一成氏ことなるがみさんも「VRChat」コアユーザーで、後述のポリゴンテーラーコンサルティング代表取締役でもある。

今後は「Skeb」でリクエストしたアバターイラストを展示するアートフレーム開発などを進めていくそう。これはけっこうユーザーに刺さりそうな予感。

ポリゴンテーラーコンサルティング

polygontailor.co.jp

なにをしているところ?
時期

2023年9月1日

詳細

prtimes.jp

主な実績は即売会イベント「メタフェス」主催、JT公式ワールドの制作、アパレルブランド「FACETASM」のVRChat向け衣装展開など。アバター・衣装ブランド「IRODORI clothing」も展開中。

バチバチに「VRChat」で事業を展開してる企業なので、パートナーシップ契約は順当なところ。11月に開催予定の「メタフェス2023」で早速活かされそうではある。

ポリゴンテーラー

polygontailor.co.jp

なにをしているところ?
  • EC事業。
  • アバター販売・改変プラットフォーム「ポリゴンテーラー」の開発運営(ただし、2023年10月3日時点では未発表)。
時期

2023年9月1日

詳細

アバター改変代行」という営みにいち早く取り組み始めた企業。ただ、直近では表立った動きは見られない。公式パートナーシップ契約は、後述の「VRChatイベントカレンダー」の公式パートナー化に合わせたもの、とのこと。

バーチャルパーティー

https://virtualparty.jp/

なにをしているところ?
時期

2023年9月4日

詳細

VRTRPGコミュニティ発の新設企業。「VRChatでこの世すべてのTRPGをできるようにする」というコンセプトで開発されたVRTRPG支援システム「CatsUdon」を作っている。言うなれば「VRChat」でマイクラができるというシロモノで、演劇舞台装置にも転用される汎用性の高さを誇る。これをフル活用する体験イベントも毎週開催されている。

直近では11月に大型イベント「バーチャルダイスパーティーwith冒険企画局」を開催予定で、このイベントもVRChat公式パートナーイベントとして開催予定とのこと。

MyDearest

mydearestvr.com

なにをしているところ?
  • VRゲーム開発。代表作に『東京クロノス』『ALTDEUS: Beyond Chronos』『DYSCHRONIA: Chronos Alternate』など。最新作に『Brazen Blaze』。
  • VRゲームパブリッシング事業。第1弾は『Squingle』。
時期

2023年9月14日

詳細

mydearestvr.com

国内VRゲームメーカーの代表格。『ALTDEUS: Beyond Chronos』が「Oculus Quest Store」でユーザー評価1位を獲得したり、「ファミ通・電撃ゲームアワード2020」のアドベンチャー部門で最優秀賞を受賞したりと、評価の高い作品を送り出している。

もともと「VRアジト」というDiscordコミュニティを運営しており、VRゲームユーザーとソーシャルVRユーザーをつなげ、VR業界全体の活性化を図る取り組みを行っている。VRChat公式パートナーシップ契約はその路線に沿った展開。第1弾として、VRChatに自社のバーチャルオフィスワールドを作っている(参考)。

ホビージャパン

hobbyjapan.co.jp

なにをしているところ?
  • ホビー事業全般。出版、小売、ホビー商材、アナログゲームの開発・販売、WEBメディア、キャラクター開発など。
時期

2023年10月2日

詳細

www.dreamnews.jp

創業50年の老舗ホビー企業。2021年にVRインディーゲームイベント「GameVketZero」に出展した後、2023年4月に専門部隊「ホビージャパンVR部」を設立。公式ワールド「ホビージャパン駅前商店街」や、ボドゲが遊べるワールド「Esperaization Cave」を公開。さらにそのワールドでユーザー参加イベントを開催している。

メタバース参入したいホビー企業のサポートや、VRクリエイターの支援などを行っていくとのこと。横のつながりもできているのか、上述の「バーチャルダイスパーティーwith冒険企画局」にも出展・協賛していたりする。

カシオ計算機

www.casio.co.jp

なにをしているところ?
  • 電機メーカー。時計、電子辞書、電卓、電子文具、電子楽器、ハンディターミナル、電子レジスター、経営支援システム、データプロジェクター、成形部品、金型など。
時期

2023年10月3日

詳細

www.casio.co.jp

あのカシオ。有名なものが多すぎる。

「VRChat」参入にあたって持ち出されたのは腕時計の「G-SHOCK」。仮想店舗をオープンし、自分だけの「G-SHOCK」をカスタマイズして遊べるコーナーなどが提供される。プラスして、「BOOTH」でデジタルアイテムを販売したり、人気アバターとのコラボまで考えていたりと、かなり本腰を入れて上陸しにきている。

非法人

調べてみたら「法人ではないパートナー」がいた。そして2023年9月にぬるっと事例が増えた。別個セクションとしてご紹介。

イマーシブクラウド

www.immersivecloud.info

なにをしているところ?
  • VR空間での体験型エンターテイメントコンテンツ提供。代表的なものはマーダーミステリー。
時期

2020年11月20日(※下記バチャマガの日付準拠)

詳細

vr-lifemagazine.com

2019年9月に設立された団体。マーダーミステリーなどを開催しており、公式パートナーシップ契約は「有料公演」の開催が目的とのこと。

このプレスリリースを読む限りでは、2020年12月の最初の有料公演が、そこから2023年までにかけて20本の無料公演、1本の有料公演を開催しているようである。ただ、2023年現在も公式パートナーシップ契約が続いているかは調べきれていない。

VRChatイベントカレンダー

vrceve.com

なにをしているところ?
  • 「VRChat」上で開催されているイベント情報の発信。
時期

2023年9月11日

詳細

「カレンダー」という形で、日夜とてつもない数が開催されているVRChat有志イベントを紹介しているインフラサービス。イベント情報の登録もできるため、イベンターにはなくてはならないもの。「VRChat」内で使えるアセットも配布されている。

公式パートナーシップ契約締結により、カレンダーアセットが刷新され、機能面が大きく向上した(旧版は2023年末に利用停止へ)。また、VRChatのパートナーイベントとも連携を強化するとのことで、その際の法人窓口をポリゴンテーラーが引き受けるとのこと(運営体制はそのまま)。個人運営のインフラと法人がタッグを組んでいると捉えれば自然か。

ソーシャルVRの"フレンドづくりのコツ"を考える

今年の4月末、Twitterスペース企画「VRSNSのフレンド作りをみんなで考えるスペース」にゲストとして出演しました。

MyDearestのBUSSANがホストしたこのスペースでは、その名の通りVRChatなどのソーシャルVRで、どうすればフレンドを作れるのか?というテーマでお話が繰り広げられました。ゲストにはぴちきょさん、育良啓一郎さん、MyDearestからはひよこさん、岸上建人CEOが出席、そして不肖ながら私もゲストとして同席いたしました。

このスペース、現在もアーカイブが録画として残っていますが、各話題は文章として書き起こしてもよさそうだなと思ったので、この記事でまとめてみようと思います。もう4ヶ月くらい前だけどご容赦くだされ……

大前提として

  • このスペースで主に取り上げられたのは「VRChatでのフレンドつくり」でした。とはいえ、「cluster」や「NeosVR」などでも応用が効くと思います。
  • 「VRChat」などをはじめとしたソーシャルVRの「フレンド」という概念は、一般的なSNSにおける「フォロー/フォロワー」の概念の近しいもの。
    • 「アクセスしやすくするための取っかかり」くらいのものです。よく「名刺交換」に例えられます。
    • 知人はこれを「縁」と表現していたように思います。かっこいいしめちゃしっくりくる。
  • いわゆる「友達つくり」よりかは、もうちょい軽い「コネクション形成」となることはおぼえておいてよいでしょう。
    • とはいえ、友人をつくるときのコツや、大切にすべきポイントは基本適用できますし、ないがしろにしてはいけないところでもあります。

1. 友達と始める

僕も最初期はリアル知人とVketや「夏」に行ってました。

「知り合いもなーんにもいない」という状況からソーシャルVRを始めるにあたって、まず心強い仲間になるのが「すでにいる友達・知人」でしょう。学校でも、職場でも、あるいは仲の良いTwitterのフォロワーやDiscordサーバーの住人など、すでに仲の良い人といっしょに始めてみると、ちょっとしたお出かけのような気分でスタートできるはずです。

特に、「同年代のリアルの友人」であれば、いろいろな面で気心もしれているはず。「ちょっとVRChatってとこ行ってみよーぜ!」と誘って、話題になってるワールド(たとえばいまなら「ぽこピーランド」とか!)へ繰り出していけば、「始めるハードル」は難なく越えていけそうですよね。

2. イベントに行く

このTwitterスペースでも特に賛同が大きかったのが「イベントに行く」でした。日夜たくさんのイベントが開催されているVRChatですが、イベントはある種の社交の場でもあります。「自分の界隈の外と接触する」ことを目的に、いろいろなイベントへ顔を出す人も意外にいます。

自分もこれには同意見。事実、イベントなどをきっかけに出会った人とその後長い付き合いになっていることもままあります。

とはいえ、中には参加ハードルや参加倍率が高く、思わず尻込みすることもあるのがVRChatイベントのむずかしいところ。以下では、スペース登壇者から出てきた「イベント参加のコツ」を並べていきます。

カレンダーでイベントを探す

「VRChatイベントカレンダー」トップページ。毎日すごい数のイベントが開かれてます。

鉄板のイベント情報探しはVRChatイベントカレンダーです。登録申請式のGoogleカレンダーで、ジャンルを問わずたくさんのイベントがあることがわかる最大級の情報源です。まずはここから、自分が好きなイベントを見つけにいくのが、イベント参加のメジャーな入口です。

とはいえ、すべてのイベントが登録されているわけではない点には留意しましょう。ちなみに、最近は学術系イベントに特化したカレンダーも登場していて、今後もしかするとジャンルごとの細分化が進むかもしれません。

「VRC join」でTwitter検索する

「「VRC Join」と検索すると、イベント参加告知ツイートが見つかる」という、ある種のライフハックも教えてもらいました。TwitterはVRChatユーザーの定番コミュニケーションツールなので、大々的に告知ツイートを投げるイベントはけっこう多めです。

そして、こうした告知ツイートを投げるイベントはオープンなものであることも多く、フラッと参加しに行っても問題ないという話も。たしかに、人に来てほしいがために告知をするのだから、顔を出して嫌な顔をされるってこともそんなないでしょうね。あったらまぁドンマイ。

オススメ:ツアー系イベント

誰かの発案で突発開催されるツアーもあります。旅する中で初めて知り合う人もいたり。

個人的にオススメなのが「ツアー系イベント」だったりします。いろんなワールドをめぐっていく旅行のようなイベントでは、「ワールドを旅する」ことが主眼となるので、初対面の人と話すのが苦手な人でもあまり問題になりにくいことが多いです。

写真を撮ったり、ポーズしてみたり、なにかワールド内で見つけてみたり……そんな「ツアー内の一コマ」がきっかけで話が弾む、ということはよくあります。VRChatの様々なワールドを知るきっかけにもなるので、気の合うフレンドができなかったとしても大丈夫という保険もあったり。

オススメ:クラブイベント

僕は隔週金曜開催の「青色クラブ」によく行きます。会場ワールドがマジでいい。

ツアー系イベントと同じく、クラブイベントも実はオススメです。VRChatイベントではけっこうメジャーなクラブ系イベントは、「音楽を聴くこと」が主眼となるので、極端な話ですが誰とも会話しなくても問題ない空間だったりします。

いい感じの音楽を聞きながら静かに体を揺らしつつ、もし気の合いそうな会話があったら、近寄って、聞きながら相槌を打つ……そんな感じのゆるめの連帯感が得られるわけです。特に音楽が好きな人は、クラブイベントからVRChatにハマり、やがて自分がDJとして立つこともめずらしくありません。

イベントの感想をSNSに投稿するのもオススメ

開催したイベントがどう思われたのか、気になってしまうのが主催者というもの。もし、参加したイベントがよかったな~と思ったら、ハッシュタグなどをつけてツイートしてみましょう。前向きな感想ならきっとよろこんで「いいね!」してくれるはずです。

そこから、主催者やイベント関係者、イベント参加者にTwitterフォローされることも多いので、そこからさらにTwitterで会話が弾んだら「こんどVRChatでも遊びましょう!」と切り出してみるのもアリです。いちおう、「VRChatでの面識がない状態でフレリクしてよい人か」だけは気にしておくと、無用なトラブルは避けられます。

3. イベントを主催する

イベント参加以上にフレンドが得られる機会。それは「イベントを主催する」です。まぁハードルは高めなのですが、まずイベント参加のためにフレリクが飛ぶため、それはもう一気にフレンドが増えます。僕も過去に一回主催側に回ったとき、びっくりするくらい増えた記憶があります。

4. VRSNS、一人で遊ぶのも全然アリ!

"一人旅"もまた、醍醐味のひとつ。

とはいえ、フレンドを作らなくてもVRChatは楽しめる、ということはお伝えするべきでしょう。

VRChatには数多くのワールドがあり、それらを一人でめぐっているだけでもめちゃくちゃ楽しめます。また、アバターを改変し、フルトラで全身を動かし、撮影するという遊びもまた、一人でも楽しめます。もちろん、ワールドの撮影も一人旅のさなかにできちゃいます。

僕自身、1年くらいはVRChatをほぼソロで遊び倒していた一人です。いまはたくさんフレンドがいるものの、たまには一人でワールドめぐりをしていたりします。一人で遊ぶ楽しさは間違いなくある、と同時に、「遊べるフレンドがいないとき」でも楽しめる選択肢を作っておくのは、VRChatを長く遊ぶ秘訣かなーと、個人的には思っているところです。

フレンドは"ソーシャル"を広げる力に

「フレンドがフレンドを呼ぶ」ことで、おもしろい場所がよく生まれます。

僕個人の話をあえてしましょう。僕は基本的には人見知りで、そのせいもあって「初対面の人とのオンラインでの会話」がそこまで得意ではありません。特に音声のみの会話。なのでネトゲとかは敬遠しているタイプです。

そんな身でも、「ソーシャルVRでフレンドはいるとよい」と考えています。なぜなら、ソーシャルVRでは人とのつながりが、自分の周囲の世界を広げる力になるからです。人づてに新しい世界やコミュニティを知り、そこからさらに新たな交友が生まれ、さらに新しい世界を知るきっかけになる……世界中の人が行き交うこの場所では、人がいろいろなイベントのきっかけになりやすいのです。

そして、気の合うフレンドが数人生まれると、「彼らに会う」という遊び方が生まれます。ワールドやアバターもソーシャルVRのメインコンテンツですが、ある程度は「遊び尽くした」と思いがちです。ですが、「人」は常にアップデートされるもの。気が合う人ならば、いつでも会いに行く動機があるってものです。

そうして紡がれた人とのつながりが、ほんとうにおもしろいお話だったり、それこそ人生を一変させる"なにか"につながることも、めずらしくありません。VRの世界で、リスペクトとともにフレンドを増やして、自分の"ソーシャル"を広げていく体験。ぜひチャレンジしてみてください!